ここは誰も知らない
知ることのない彼方の場所
紫色した異境の空が
寂しく私の心をとらえてはなさない
空を映して煌く海原
愛する人たちが眠る
愛すべきあそこへ届けておくれよ
私の想い
たとえ全てが滅んでしまっていても
確かに存在した
あの時
あの場所
あの人々
どんなに遠くても
光よりはやく届けておくれよ
私の愛を
暗く冷たい宇宙を駆け抜けていく
伝説の天馬のように
私は今もひとり
誰も知らない
誰もいない
この場所で孤独と戦いながら
懸命に生きている
いつの日か
その場所へ辿り着ける
そう信じて
気が遠くなるほどの
無限の時間を彷徨っている
いつの日か
還れる時を願いながら
幼少のころから、いつも私は周りに対して違和感を抱いてきた。
自分はいったい何者なのだろう。なぜ生きているのだろう。自分の存在する理由とは何なのだろう───
そんな思いが渦巻いて、普通に生活することが苦痛で仕方なかった。
もしかしたら自分はこの世界の人間ではないのかもしれない、と本気で思ってみたりもする。
そして心の欲求を追及し、少しでもその苦痛が取り除けたら、と思った結果、こんな詩が生まれた。