ノナビアス・サーガより
湖の底で
〜コンピューター・ジュークの眠り〜
暗いねっとりとした水の底で
私は夢を見ている
人はどうして生き続けるのか
そして朽ちていくのは何故なのか
何もわかっていなかった
ただ、私の耳に
遙かな未来からドヴォルザークの
『新世界より』の第2楽章が
絶えず聞こえてきていた
さざ波が煌きを見せてくれる
自然が語りかけてくれる
私は、私たちは人に感動を
与えるために存在しているのだ
だから
自分自身が生きることに
感銘を感じよう
太陽の陽射しも届かない
この深い湖の底でいつまでも
夢を見続けながら……