イラスト提供/暁・彪瑠さま
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薄れゆく意識のなか俺は見た
涙にぬれたお前の瞳を
愛していたはずの
父や母や妹さえ
俺の心に残るものはなく
ただお前だけ
世界でたったひとり
お前だけを俺は見たんだ
お前の夢を
叶えてやりたかった
お前の傍に
ついていてやりたかった
俺は見知らぬこの大地で
ひとり果てようとしている
だが駆けていこう
俺の心はお前のもとへ
風となって
お前の身体を包み込もう
太陽となって
お前の未来を照らしだそう
だからうしろを振り向くな
前だけを見つめ進んでゆけ
どこへ辿り着こうとも
俺は駆けてくる
お前を守るため
すべての悲しみから助け出すため
光となって
いつまでもお前の傍にいよう