「涙の旋律」by


君の目に
果して映っているのだろうか
私の姿が

茶色い神秘の瞳が
私の心を捉えて離さない
その瞳の奥に
星の煌めきさえ
見えるというのに

愛していると
囁くその唇が
信じられないのは
どうしてだろう
君のピンク色に濡れた
その唇が
私の気持ちを
高めてくれるというのに

細い首筋が
艶めかしく
私を誘う
君は何故そんなに
魅惑的なのだろう
そして
私は虜にされて
君以外に
何も見えなくなる

それなのに
こんなに愛していても
君が疑わしい
君の全てが
憎らしくなるほど
疑惑に満ちている

誰にも渡したくない
誰にも壊されたくない
しっかりとこの手に抱き
何処にも行かせない
たとえ
この世が消え去ろうとも
君だけは永久にこの腕から・・・

【1997/8/10日本海新聞掲載】