曲名【遙一 】Copyright(C)音羽 雪byMIDI提供サイト

時が過ぎていく
いつの間にか静かに
誰も気がつかないうちに

ああ、
時よ止まるな
いつの時代か
いつの日か
時よ止まれと
願った少女のころ

今となっては
願ってみても
ただ、
虚しさが残るだけ

なぜに想い出などあるのか
それが私を苦しめる
ああ、
どうしようもない悩みのように
私を苦しめる


空を見上げてみても
何もない
路上に目を落としてみても
誰もいない
探し求めた宇宙船
待ちつづけた蒼い瞳の少年

すべてすべて
時の向こうへ消えていく

そして私は
ひとり孤独に彷徨うだけ
前にも進めず
後ろを振り向くこともできない
光輝く場所にも
破滅という名を持つ
闇の世界にさえも
ああ、
いつになったら
辿りつけるのか

そして、
いつになれば
マージナルマンの殻を
脱ぎ捨てることが
できるのだろうか














      Poem/Tenji
1998/1/11新日本海新聞紙上にて掲載


*マージナルマン
=情緒不安定な人間のこと