わたしの目は閉ざされている
わたしの口は閉じられている
わたしの耳は塞がれている
ここは何もない場所
ここは誰もいない場所

──ヒトリ世界──

わたしという存在さえも
もしかしたら存在しないのかも
けれど
確かに感じるこれは
あなたの存在
世界に広がる虚無の中に
確かに感じるあなたの息吹
あなたの想い
あなたの涙
あなたの愛
その切ないまでの厳存
それを胸に抱き
わたしは前へ前へ進んでいく
それしか生きる道はない
そんなわたしに
静かなる愛音は
静かなるエールを送ってくれる
わたしは
ずっとずっとその曲に
守られながら癒されながら
歩み続けるだろう










「ヒトリ世界」/Copyright(C)音羽 雪

Poem/Tenji