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あなたと目が合った時
思わず走っていた 飛び出して追いかけた あなたは待っていた 見つめ合う目と目 あの瞬間時が止まった 私の中の記憶が 動かなくなってしまった 階段を降りるその途中で あなたは振り返った 確かにそうしてくれた | ![]() |
なのに私は足がすくんで 動けなくなってしまったのだ もしひとかけらでも 勇気があったら 何かが変わったかもしれない 長い人生の中のエピソード 私は階段を見るたびに 思い出さなくてはならない 苦くて辛い敗北とともに |
あなたは待っていてくれたのか 私のひとことを もう今となってはわからない 膨大な記憶の底に埋もれて いつの日か消滅するのを そっと待ち続けているだけなのだ |