ひまわり

ビルとビルのすき間から
ひょっこり頭を出している
それは一本のひまわり
背も高くない
頭も大きくない
小さくてほそっこいひまわり
薄汚れた見すぼらしい黄色
いつか見た映像の
どこまでも続くひまわりの草原の
あの鮮やかな黄色ではないけれど
今の私に
とてもふさわしく感じるのはなぜだろう

都会の喧騒の中
肥えた土もないのにポツンと一本
ひょろりと通りをのぞいている
でもなぜかまったく淋しさを感じさせない
こんな場所であっても
仲間たちの想いを一身に受けて
世界に応えようとしている
こんな細いあなた
こんな小さなあなたなのに
心に焼きついた
私は立ち去ることができなくて
ただ立ち尽くすしかない
見つめるだけしか……

戻る


壁紙提供サイト