違う人間になりたかった
大勢の人たちの前に立ち
朗々とセリフを喋り
堂々と身体を動かす
ちっぽけでみすぼらしい
なんの取り柄もない人間が
全く正反対に変わる時
世界の王や正義の味方
天使や悪魔にだってなれる
あらゆる人生を生きるんだ
そう────
違う人間になりたかった
でも────
結局私は私でしかない
どんなに願ってみても
どんなに努力してみても
私は私以外にはなれない
私が私である限り
どうしようもないこと
誰のせいでもない
だとしたら
私は私をもっと好きになろう
自分自身を大切にしよう
いつか息がつまって
窒息してしまわぬように